声優の専門学校と声優の養成所は掛け持ちできる?
できるかできないかで言えば、その学校や養成所の規約で禁止されていなければできます。
でも、そういったレッスンの受け方は声優への道が遠のくだけなので全くオススメできません。
もくじ
規約で禁止されていなければできる
声優専門学校や声優養成所の規約で、禁止されていない限りは掛け持ちできます。
ただ、特に声優養成所の方に
- 外部オーディション禁止
- 掛け持ち禁止
という規約があることがあります。
そういった規約がないところであれば、掛け持ちはできなくはないです。
ただし、絶対にオススメはできない!
でも、正直オススメできないです!
特に、まだ声優の養成所にも声優の専門学校にも通っていない状態で「掛け持ちしたい!」と思っているのなら悪いことは言わないので、やめておきましょう。
理由としては
すべてが中途半端になるから
です。
声優の養成所でも声優の専門学校でも、大事なのはオーディションだけではありません。
普段の授業中の態度や出来栄えも見られています。
普段の授業の中で実力を認められた場合、
- 所属オーディションの1次審査を免除(講師推薦)
- インターンシップの声かけ
- オーディションなしでキャスティングされる
といった評価や待遇をしてもらえます。
こういった待遇を受けられる人はそれだけ、事務所の人の目にも止まりやすいですし、声優になれるチャンスは増えます。
ですが、専門学校と養成所を掛け持ちしたりして、
- 台本を覚えてこない
- 前に言われたことができていない
なんてことになってしまったらそれだけ養成所からも専門学校からも評価がダウンします。
もちろん、
「そんなのあたりまえ!すべてをやりきるつもり!」
といった熱い思いを持っていると思うのですが、そもそも色んなところでレッスンを受ければ絶対に上手くなるというのが悪い思い込みです。
レッスンを多く受ければ上手くなるわけではない!
そもそも声優の養成所や専門学校で行うようなレッスンを多く受ければうまくなるわけではありません。
声優や役者としての基礎は基本的に、反復練習でしか上手くなりません。
- 腹式呼吸
- 発声
- 滑舌
- イントネーション
といった基礎は、声優になるならできてあたりまえのことなんですが、多くの人が声優の専門学校や養成所に通ってもほとんどマスターできずに辞めていきます。
こういった基礎の基礎って、教えるだけならめちゃくちゃ簡単なんです。
でも、意識できなくても常に完璧にできるところまで持っていくのはめちゃくちゃ難しいんです。
1年丸々、練習したって身につかない可能性があるくらいです。
そりゃそうです。
10年以上も今まで胸式呼吸やら適当な発声やら方言で生きてきたのですから。
もちろん、基礎の基礎は教えてもらうべきです。
まったく違うことをやっていても意味がありません。
でも、基礎を教えてもらった後、それを完璧にしていくのは他の誰でもなく自分なのです。
色々と自分の身体で試してみて
「こういったやり方だと喉が閉まらないで済む!」
「ここに響かせると、かなりキレイな声になるな」
というのは自分で見つけなきゃいけないんです。
まだ、声優の専門学校にも声優の養成所にも通ったことがない方はイメージしにくいかもしれませんが、こういった基礎の練習と言うのは最初の1週間ぐらいだけで、その後はレッスンの前に10分くらいやるだけです。
つまり、「あとは各自やっといてね」というスタンスなのです。
なので、地味な反復練習をひたすら一人で繰り返すことができない人は、絶対にうまくなりません。
そして、上手くなりたいのなら、やたらと色んなレッスンを受ける前にこういった基礎の基礎をひたすらやるべきなんです!
養成所や専門学校で行う舞台演技も大事なんですけど、いくら舞台演技やマイク前での上手な動きができても、基礎ができてなかったらまったくもって意味がないのです!
基礎はやればやるだけ上手くなります。
でも、すぐには上手くなりません!絶対になりません!!
なので、声優になるというやる気に満ち溢れている状態ならそれこそ、養成所なり専門学校なりに入った時に教えてもらう基礎を毎日コツコツやっていきつつ、そこの専門学校や養成所での1番を目指しましょう。
それが声優への一番の近道です。
掛け持ちするのはデビューの基盤ができてから!
もし、専門学校に行った場合、あなたがきちんと毎日毎日練習を積み重ねてしっかりと実力を発揮していけば、早い段階で事務所から声がかかることもあるでしょう。
そうなった場合、事務所に所属しながら専門学校に通い、附属の声優養成所にまで通うというパターンになることがあります。
そうなった場合だけ、専門学校と養成所の掛け持ちをしましょう。
そういう話を聞くと、
「それぐらい目をかけてもらっている人と同じだけの努力がしたい!」
と熱い気持ちになる人も多いと思いますが、目をかけてもらって掛け持ちするのと、勝手に専門学校と声優養成所を掛け持ちするのとはわけが違います。
この場合は、専門学校も事情を把握しているため「仕事を優先しなさい」と言ってくれますし、こうやってほぼデビューが決まっている人というのは、すでに基礎はできているわけですね。
なので、色んなレッスンに行って細かい技術を学ぶ意味があるのです。
基礎ができていない状態で小手先のテクニックだけを習得してしまうと、それこそ
- 中身のない演技
- 人の心を動かせない演技
になります。
だからこそ、ちゃんとした学校のカリキュラムでは1年目では演技の基礎や舞台演技を中心にして、ちょっとしたテクニックが必要になるマイク前の演技はほとんど行わないのです。
演技力や表現力を伸ばしたいなら他にやるべきことがある
「基礎はもちろんだけど、演技力や表現力を伸ばしたい!」
という気持ちを持っている人もいると思います。
その場合は、演技をひたすらするのではなく
- 本を読んで感情を豊かにする
- 演技論の本を読んで理解を深める
- 舞台を見に行って生の演技に触れてみる
- 色んな体験をして自分の中での表現のストックを増やす
- ダンスのレッスンに通って表現力を高める
といったことで、自分の感性を磨いていきましょう。
感情表現と言うのは外側ではなく、自分の内側からあふれ出てくるものです。
だからこそ、単に演技をし続けるだけではなく、色んな体験をして自分の感性を磨く必要があるのです。
繰り返しになりますが、ちゃんとした声優の専門学校や声優養成所を選べば掛け持ちをする理由はありません。
もし、すでに声優の養成所や専門学校に通っており「他のところに行きたい」と思っているのであれば、掛け持ちを考えるのではなく、区切りの良いところ(所属チャンス)までやり切って、他の場所を検討しましょう。
まだ、専門学校にも養成所にも通っていない人の場合は、掛け持ちを考えるのではなく、後々「やっぱり養成所(専門学校)に行けばよかった」とならないように、2つの違いを知り、自分にとって最高の学校を選ぶようにしましょう。
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